昨年の全国的な緊急事態宣言の発令により、テレワークが一気に進みました。

例えばサイボウズは元々段階的に在宅勤務・テレワーク制度を導入していましたが、緊急事態宣言に伴いほぼ全社的にテレワークに移行。

「もうこんな広いオフィス不要かも」なんて発言も含めて大きく注目されました。

この記事をご覧いただいている方の中にもコロナを機にテレワークを導入したという方もいるのではないでしょうか?

さて、そのように一気に脚光を浴びる形となったテレワークですが、興味深いデータがあります。

昨年10月に日経BPが行った「新たな働き方に関する調査」によると、「テレワークによる業務の生産性は、職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、どれくらいですか?」との質問に対してこんな結果となったそうです。

○生産性が上がった 27.4%

○変わらない 24.0%

○生産性が下がった 48.6%

なんと約半分が「テレワークの導入により生産性が下がった」と感じているようです。

その主な要因は

「上司・同僚とのコミュニケーション不足」

「仕事の進捗管理が難しい」

「労働環境の把握が難しい」

です。

要は同じオフィスで働いていれば、何かあってもすぐに連絡したり相談したりといったコミュニケーションが取れるし、「あの仕事どうなってる?」と進捗状況をすぐに確認することが可能となります。

また、ちゃんと仕事をしているのか確認することもできます。

それがテレワークだと難しいので生産性が下がった、ということになります。

これは私の個人的な見解になるのですが、テレワークで生産性の高い仕事をできるかどうかの鍵は「環境設定」だと考えています。

私は家では仕事が全然できないタイプです。

昔税理士試験勉強をしていた時にも、勉強をするのは専門学校のみで、家では勉強は一切しませんでした。

当時は一人暮らしでしたけど、やっぱり家にいると勉強に関係のないものがそこら中にあるため集中できません。

なので、必ず平日、土日祝日関係なく毎日学校に通い、勉強するしかない環境を自ら整えていました。

で、テレワークの話に戻りますが、そもそも多くの人は「自宅で集中して仕事をする」という前提で今の家に住んでいないと思います。

というか一般的な家は集中して仕事をするための仕様になっていないと言った方が良いかもしれません。

以前何かの番組で夫婦共働きで、共にテレワークになったけど家が狭いので、同時にオンラインミーティングが入った時には音声がかぶらないように旦那さんがトイレに避難するなんて話が取り上げられていましたが、まぁちょっとそういう環境で高いパフォーマンスを上げるというのは難しいですよね。

コミュニケーションの部分に関してはある程度ツールの活用などの工夫をすることで改善できると思います。

しかし、集中できる環境設定というのはカンタンには改善できません。

もちろん工夫することで多少は改善できると思いますが、同じ家に住んでいて劇的に改善するというのは難しいでしょう。

コロナという超緊急事態によって「とりあえずテレワークに移行だ!」という混乱の中で始まったテレワークですが、これを今後も定着化させ、しかも生産性を担保するとなると、住環境も大きく変えていく必要があるのかもしれません。