前回「複数の収入源を持とう!」ということで、中小零細企業や個人事業主も一つだけの収入源だけだと、それがダメになった時に一気に廃業・倒産の危機に陥ってしまうので、複数の収入源を持つのはどうでしょうという提案をしました(コチラ)。
で、この発想は企業側だけの話でなく、働く人の側でも大事な考え方となります。
1つの企業で働いてそのからのお給料のみが収入源だと、その会社に何かあった時には収入源は絶たれて生活が立ち行かなくなってしまいます。
また、企業側でも「もううちの会社だけで全て面倒見れるとは限らないから副業していいよ!」ということで副業を認める流れになりつつあります。
この流れはコロナ前からもありましたが、コロナ禍により一気に加速したように感じます。
度々取り上げているように各航空会社や金融機関が副業を認めたり、少ない勤務日数を選択できるような制度を打ち出しつつありますからね。
今はまだメインの勤務先+副業という感じかもしれませんが、近い将来、特にどこがメインの勤務先ということでなく、複数の会社に勤務したり、給料以外の収入源があるという「複業」とか「パラレルキャリア」というのが当たり前な時代がやってくるのではないでしょうか。
そうなると社会保険の仕組みや、個人的に早く無くして欲しいと思っている年末調整制度を含めた税金の在り方も変わっていくのではないか、というよりは変えざるを得なくなるのではないかと思います。
さて、そんな風に働き方が大きく変わるであろう近い将来において、一つ大きな問題があります。
それは「教育訓練費は誰が負担するのか?」という問題です。
従来、ビジネスマナーを教えたり、職務の遂行のために必要な教育訓練というのは会社が行うのが当たり前でした。
勤務時間内に、お給料を払いながら研修を受けさせる。そんな風に時間もお金もかけて社員を教育するのは会社の義務。
そんな考え方が常識でした。
しかし、今後複業が一般的になっていくと自分の会社専属で働いてくれるわけでない人のためにわざわざそこまで時間とお金をかけて教育しようとは思わないのではないでしょうか?
では今後は誰がその費用を負担するのでしょうか?
もうお分かりの通り、個々人となります。
もちろんその会社で使っているシステムの使い方などといった特殊事情というのはレクチャーする必要はあると思いますが、ビジネスマナーや基本的なPCの使い方といったことは「それは自分で学んでマスターしてね。マスターしていない人は雇いませんので」ということになるのではないでしょうか。
我が国では今までは会社が色々とお膳立てしてくれていたので、身銭を切ってビジネス書を読んだりセミナーに参加したりするサラリーマンは非常に少ないですが、今後そのような人は会社にとっては「いらない人」になる日も近いのではないかと思います。
いずれにしても、学んだことは自分の財産になります。
仮に別の会社に移ることになり、会社から支給された物は返却することになったとしても知識や経験は自分のもの、自分の財産です。
要は自己投資であり、そうやって自己投資をして自分の価値を高めれば、会社にも高く自分を売ることができますし、フリーの仕事をするにしても安売りしなくても済みますから、結局は自分のためになります。
ぜひ、時代の転換点であるこのタイミングに積極的に自己投資をし、活躍できる人材になりましょう。