コロナにより影響を受けた業界は多々ありますが、ビジネス系ファッション業界も大きな影響を受けているようです。
「洋服の青山」や「THE SUIT COMPANY」などを展開する紳士服大手の青山商事が先日発表した2021年3月期の業績予想は、売上高は前年比20.9%減の1723億円、営業利益128億円の赤字と厳しい状況です。
これを受けて400人の希望退職を募集すると発表しています。
また、革靴大手のリーガルコーポレーションも2021年3月期の業績予想は、売上高が前年比28.0%減の210億円、営業利益22億円の赤字、純利益が26億円の赤字になりそうだと発表しました。
このようにスーツやビジネスシューズが売上を落としている要因はやはりコロナによるテレワークの浸透となります。
それまでスーツを着てビジネスシューズを履いて職場に出勤するのが当たり前だったのが、テレワークの導入により不要となった。
そんな方も多いのではないでしょうか?
まだまだコロナの感染も収まりそうにありませんし、そもそも以前にも書いたように、コロナが落ち着いたとしても「別にテレワークで問題なく仕事が回るんだからわざわざ会社に行かなくてもいいんじゃない?」ということでテレワークを継続する会社も多いのではないかと思われますから、そう考えるとビジネス系ファッション業界というのは今後も厳しい状況と言えるでしょう。
しかし、実はビジネス系のファッション業界はコロナ以前から厳しい状況でした。
というのも近年は「オフィスカジュアル」がメジャーとなり、出勤はするけどカッチリスーツではなく、ラフになりすぎない程度にカジュアルな服装でOKという会社が増えてきているからです。
確かにメディアで取り上げられるIT系企業で働く社員さんは結構カジュアルな服装をしていることが多いですね。
我々法律の専門家の世界はちょっと前までは「やはりビシッとスーツできちんと仕事ができるということをアピールしよう!」という感じで、スーツが当たり前という雰囲気がありましたが、最近では脱スーツでカジュアルな格好をしている方も増えてきました。
ちなみに私の場合はファッションセンスが全くない(ファッションへの関心がかなり薄い)ため、「とりあえずスーツ着とけば何とかなる!」という精神で未だにスーツ派です(あとはスーツを着ることで仕事モードに入れるというスイッチの役割もあります)。
まぁこういう人も一定数いることでしょう。
※なお、ビジネスシューズはもう何年もリーガルのものを愛用していますので、ぜひ頑張って欲しいと思います。
とは言え、時代の流れとしては今後もビジネス系ファッションというのは需要がドンドン減っていくことが予想されます。労働人口も減っていきますからね。
そんな中で、どうやって売上を作っていくか?
過去の日本は「スーツ着用はビジネスマンの義務」ということで、黙っていても売れましたが、「スーツ着てもいいけど、カジュアルでもいいよ」となった時に、「スーツがカッコいいからスーツを着たい!」と思ってもらえるような仕掛けが今後必要になってくるのではないでしょうか?
スーツが当たり前の時代から、「スーツってダサくない?カジュアルな格好で個性を出していこうよ」という時代に振れて、そこから改めて「いや、やっぱりスーツもイケてるよね!」と振り戻すためのアクション。これが求められます。
この考え方はどんなビジネスでも使えるものですが、皆さんがされているビジネスに応用するとしたらどんなアクションが考えられるでしょうか?