10月1日放送のカンブリア宮殿は「売れない時代に売る極意!」というテーマで二人の経営者が取り上げられていました。
一人はフードトラックビジネスを仕組み化したメロウ共同代表の石澤正芳さん。
もう一人はアパレル販売員の販売力とネット通販を融合させたアプリを開発したバニッシュ・スタンダード社長の小野里寧晃さん。
奇しくもコロナ禍により大きな打撃を受けた飲食業界とアパレル業界で、デジタルとアナログを繋ぐシステムを作ったことで売上を大きく伸ばしているという共通点が非常に興味深いものでした。
フードトラックは北海道ではあまり見かけませんが、東京などではサラリーマンやOLが連日行列を作るキラーコンテンツとなっています。
しかし他人の敷地に勝手に車を停めて営業するわけにはいかず、地主さんとの折衝などが結構ネックになります。
そこでメロウでは地主さんとの折衝などの面倒事を引き受け、さらに何曜日にはどんな料理のフードトラックがやってくるのかを閲覧できるアプリを開発することで、フードトラック事業者、スペースを活用したい土地オーナー、”ランチ難民”になっているオフィスワーカーの全てを幸せにするビジネスモデルを構築し急成長を遂げています。
バニッシュ・スタンダードはアパレルショップの販売員さんが、自分がオススメするコーディネート例を専用サイトにアップし、それを見て欲しいと思った人が通販で服を購入すると、それがその販売員の成績に反映され、その分お給料にも反映されるという仕組みを作りました。
リアルのお店には商品とレジがあり販売員がいるけど、ネットのお店には商品とレジしかない。
そこに販売員さんが立てるサービスを作りたいという想いでアプリを開発したそうです。
ネットで物を買うのは便利だけど、アパレル商品だと「着心地はどんな感じなのか?」「スラッとした体型のモデルじゃなく自分のような体型でも似合うのか?」などが気になるところですが、それを販売員という近い存在の目線で教えてくれるというのは客の立場で考えてもありがたいものですし、ある意味ネット通販に仕事を奪われつつある販売員にとっても活躍の場が与えられるということでありがたい仕組みと言えます。
私が何度も言っているように今後様々な分野でどんどんデジタル化が進むでしょう。
それはそれでとても便利なことではあるのですが、だからこそアナログな部分、人が関わることによる価値というものも高まっていくことでしょう。
フードトラックだと繋ぐ仕組み自体はデジタル化していますが、実際には人がお弁当を作り、お客に手渡しするというアナログなものです。
バニッシュ・スタンダードが開発したアプリも仕組みはデジタルですが、販売員が色々なアパレル商品の中から自分がコーディネートしたものの写真を撮り、アピールポイントをコメントするという手間がかかっています。
デジタル化できる部分はどんどんデジタル化を推進しつつ、「ここぞ」というポイントはあえて手間をかけることで価値を高め、独自性を生み出す。
それがこれからのデジタル社会でお客様から選ばれるビジネスになるのではないでしょうか?
あなたのビジネスは何をデジタル化できて、何をアナログに手間をかけることで価値を高めることができるでしょうか?