ソースネクストと言えば昔はPC用ソフトメーカーとして有名で、私もPCを使い始めた際にブラインドタッチをマスターするためにソースネクスト社のタイピング練習ソフト「特打」にお世話になったものです(ガンマンのやつでタイピングする度に「ズキューン!」「バキューン!」という効果音が出ました笑)。

今もこれらの商品を扱っていると思いますが、最近の大ヒット商品と言えばなんと言っても「ポケトーク」です。

手のひらサイズの大きさにも関わらず簡単な操作で74カ国の言葉を瞬時に翻訳することができる商品として、旅行のみならず、救急病院や小売店など様々なシーンで欠かせないアイテムとして引っ張りだこになっています。

2020年1月9日には『カンブリア宮殿』でも取り上げられ、インバウンド需要や、今年開催される東京オリンピックの特需も狙った戦略について紹介されていました。

・・・が、もうお分かりの通り、コロナによってその目論見が大きく外れることとなり売上が急落します。

ポケトーク一本足打法ではないとは言え、これはかなりの痛手!

しかし、きちんと手を打っていたことが7月8日放送のWBSで明らかになりました。

一番影響が大きかった3月~5月に”創業以来過去最大の投資”をするという超攻めの一手を打っていたのです。

それが「オンラインミーティング向け商品への投資」です。

まずはテレワークの増加を見越してズームやスカイプなど様々なビデオ通話アプリで背景を自由に変更することができる「エックスプリットシリーズ」を3月にリリースします。

また、リモート会議用の商品として今月発売となるのが「ミーティングオウルプロ」(税抜11万5千円)です。

これは360度撮影可能なカメラ、マイクが内蔵されたものとなります。

会議室に複数の人がいてもその音声を的確に感知し、さらにリモートで参加する人に対しては発言者の顔を自動で大きく映し出す機能が搭載されています。

開発したアメリカの企業に5億円以上投資し、日本での独占販売契約を締結しているそうです。

「創業以来過去最大の投資」となったわけですが、それだけしばらくはポケトークの売上は厳しく、その分をテレワーク関連商品で挽回しようという経営判断だったのではないでしょうか。

さらに公式サイトを調べてみると、

「Dropboxのソースネクスト特別版」

「NINJA SIGNのソースネクスト特別版」

といった商品もリリースしており、今後のテレワーク需要を見越した商品開発をしっかりとしていることが確認できます。

年初に『カンブリア宮殿』で取り上げられた時にはまさに「ポケトークでイケイケ」という状況だったはずですので、その後のコロナショックは大きな打撃となったと思いますが、ここですぐにテレワーク商品に投資を行うというこのスピード感は流石です。

中小零細企業には5億円以上の投資という真似は簡単にはできませんが、予期せぬ出来事が起こったとしても新たな活路を開いていく、スピーディーに対応する姿勢・行動力は大いに真似したいところです。