6月14日放送の『坂上&指原のつぶれない店』では経営のプロがつぶれそうなお店を立て直すという大人気企画が組まれていました。

この企画、密かに楽しみにしておりまして、過去に富士そばの会長や銀だこの社長がつぶれそうな飲食店の立て直しに成功しています。

今回は京都にある「おばんざい屋さん」が舞台となります。

こちらのお店はご主人が会社を退職し、夫婦二人で始めたお店ですが、1日の売上がたった1万円しかなく、下手をすると客がゼロ人の日もあるというぐらいの「つぶれそうな店」です。

長年の「飲食店をやりたい!」という夢を実現するために500万円の借金をしてスタートしたものの赤字続きで資金が底をつき、「こんなことならやらなければよかった・・・」という状態。

そんなお店の立て直しを任されたのがとんかつ『かつや』の社長である臼井健一郎氏です。

・最寄りの駅から徒歩1分の路面店

・提供している料理は普通に美味しい

・接客レベルも悪くない

という特にダメなところがあるわけでもないお店なのに、全くお客が来ないという現状に、どうやって立て直そうか頭を抱える臼井社長。

お店の周辺なども入念に調査し、「これなら勝負できる!」ということでご夫婦に提案したのが・・・。

「ランチ営業のみのおばんざいカレー屋さんへのシフトチェンジ」でした。

ご主人絶句。

「俺、カレーなんて家の料理で作る程度だよ・・・」

「数少ないけど通ってくれている常連さんに申し訳ない・・・」

ご主人のイメージとしてはおそらく会社帰りの常連さんがふらっと立ち寄ってお酒片手にご主人が振る舞うおばんざい料理に舌鼓をうち、ちょっと小粋なトークを楽しんでもらうというものだったのではないかと思います。

それが提案されたのはそんなイメージ全否定のランチ営業のカレー屋さん、そしてメインターゲットは学生さんというものでしたので、それは絶句しても仕方がありません。

やりたくないことかどうかは分かりませんが、少なくともやりたいことではないわけです。

やるのか?やらないのか?

しかし、ご主人腹をくくってやることにします。

大事に取っておいたレコードも売り払い(あまりお金にならなかったけど)、なんとか資金を用意して内装の改装工事をします。

そして肝心の料理ではかつやの商品開発担当の方に「お客さんのことをナメている!」と強烈にダメ出しされながらもなんとかおばんざいとカレーを組み合わせたメニューを開発します。

さあ、あとは新装オープンするだけ!

・・・というタイミングでコロナの自粛要請があり、オープン時期が後ろ倒しになってしまいましたが、6月4日新装オープン!

果たしてどうなるのか!?次回に続く!

うわ~次回めっちゃ気になるんだけど・・・しかも次回放送は7月5日!そんなに待てない!

・・・と、昔ならそうは言っても待つしかなかったのが、今はSNSという便利なツールがありまして、ツイッターで検索をかけてみると・・・

なんということでしょう~!

「おばん菜宮本」改め「宮本カレー」さん・・・連日の大行列であっという間に完売御礼で、早くもアルバイトを雇うほどになっているではありませんか!

まさに劇的ビフォーアフターです(番組違いますが)。

もちろんこうやってテレビで取り上げられたという効果も絶大なものがあると思いますが、そのぶん料理や接客がイマイチだったらマイナスの口コミ効果も半端ないところ、「美味しい!」という声が沢山あがっていることからも、一時的なテレビ効果では終わらないような気配です。

なんといってもご主人のキャラが素敵で、結構ファンが増えるのではないかと思われます。

さて、カレー屋さんとして好発進をしているわけですが、とは言え元々ご主人がやりたかったことかと言うとそんなことはありません。

ここにビジネスの難しさがあるのですが、本当であれば「自分のやりたいこと」でビジネスをしたいはずです。

しかし、自分はそれをやりたくても、世間にそのニーズがなければ継続することはできません。

臼井社長も周辺調査で、既に常連さんをガッチリと押さえたおばんざい屋さんが沢山あり、飽和状態となっている中で後発組である宮本さんご夫婦が勝負するのは厳しいと判断されました。

ネット上には「本来やりたいことを全否定され、これをやりなさいと言われたことをやらされ、番組の素材としていいように使われてかわいそう」というコメントもあったりしますが、現実問題として500万の借金を抱えてにっちもさっちもいかない瀬戸際から逆転ホームランをかますためにはそんなヌルいことは言っていられないわけです。

ツイッターの投稿を見る限りではご夫婦の充実した笑顔を見ることもでき、連日完売で明るい光が見えてお金の面でもかなりポジティブに考えられるようになってきているのではないかと思われます。

まずはそういう状況になることが大事ですよね。

このまま順調に軌道に乗せて、借金も完済したときに「でもやっぱり夜のおばんざい屋さんをやりたい!」と思うのであれば、そのタイミングで「自分のやりたいこと」をやれば良いのです(もちろんその際も事前にしっかりと戦略マーケティングを考える必要はあります)。

ということで、結果は分かっていますが、それでも次回の放送を楽しみに待ちたいと思います。

そして、京都に行くことがあればぜひ食べに行ってみたいと思います。