コロナショックによりビジネスモデルや働き方だけでなく会社の在り方まで大きく変わろうとしています。
そんなタイミングでご提案したいのが「スモールカンパニーを目指しませんか?」というものです。
これは読んで字の如く「小さな会社」という意味で、そんなに広くないオフィス、少ない人員で固定資産もなるべく所有しない会社形態となります。
と聞くと
「小さくこじんまりとやれということか?」
「そこそこほどほどで満足しろということか?」
と思う方もいるかもしれませんが、決してそういう意味ではありません。
今までというのは「会社を拡大する時代」でした。
大きなオフィスを構え、社員を雇い、業績があがればさらにオフィスを拡張し、社員も増やし・・・を繰り返すことで会社を大きくするのが当たり前と考えられていました。
しかし今回のコロナショックによりリモートワークが注目を浴びた結果、「実はそんなに大きなオフィスを構えなくてもやっていける」ということが分かってしまいました。
またデジタルツールやAIのさらなる進化により、業務の効率化はこれからもどんどん進んでいきます。
一昔前であれば売上があがって忙しくなる→人を雇う→さらに忙しくなる→また人を雇い・・・の繰り返しで会社を大きくしていましたが、
売上が上がって忙しくなる→デジタルツールやAIを活用してまずは業務の効率化を図る→それでもカバーできない部分は人を雇ってカバーする
という形で、人を雇う前にまずは業務の効率化を図るというワンクッションを入れることができます。
なぜ、スモールカンパニーを推奨するのか?
「人を雇用することは地域社会への貢献になるのでは?」
と思われる方もいらっしゃるかと思います。
それは確かにその通りです。
私が言いたいのは「会社を大きくすること自体を目的にして拡大を急がない」ということです。
一等地に立派なオフィスを構えて、人を沢山雇用していることがイケてる経営者のステータスだという価値観で会社経営をすると、今回のコロナショックのようなことがあるとあっという間に足元をすくわれてしまいます。
家賃と人件費は売上の増減に関係なく一定額が発生する固定費の代表格です。
ということは売上がゼロになっても払わなくてはなりません。
ここでお給料を払えないからとアッサリとリストラをしてしまうようでは地域社会への貢献も何もあったものではありません。
まずはスモールカンパニーで、少ない人員(もちろん適正人数なのが前提ですが)でもしっかりと売上を作り、儲けを生み出す仕組みを構築することが先決。
そして十分な内部留保をし、有事の際にもきちんと持ちこたえられる体質になった上で、それでも必要であれば拡大戦略を取れば良いのではないでしょうか。
つまり、拡大戦略自体を否定するわけでもなんでもなく、「安易な拡大戦略」「拡大することが目的の拡大戦略」を取るのは危険だということです。
ソニー創業者の井深大氏が記章した会社設立時の趣意書には「経営規模としては、むしろ小なるを望み」とあります。
小さい規模であることは恥ずかしいことでも何でもありません。
社員を沢山抱えて見た目は大きいけど何かあったらすぐにリストラをする会社と、社員は少なくて小さな会社だけどちょっとやそっとではリストラは行わない会社、どちらの方が良い会社でしょうか?社員から選ばれる会社でしょうか?