日本を代表するトップ・マーケッターである神田昌典さんの最新刊『マーケティング・ジャーニー』。
「日経MJ」の連載コラム「未来にモテるマーケティング」をベースに書かれたものとなりますが、今回のコロナショックにより様々な業界でビジネスモデルがガラッと変わってしまう時代に飛躍するためのヒントを沢山得られる1冊と言えます。
生粋のマーケッターである神田さんは冒頭で”時代の変わり目において、マーケッターはきわめて価値ある職業だ”とおっしゃっています。
今回のコロナショックはかなり強制的に発動した「時代の変わり目」ともいえる出来事で、現在の緊急事態宣言、活動自粛がひと段落したとしてもビジネスの形は元には戻らず、違った形に変容することは間違いありません。
狭い店内にぎゅうぎゅう詰めにするような飲食店は選ばれなくなるかもしれません。
「必ず直接お会いして打ち合わせをします」と言う税理士は敬遠されるかもしれません。
そんな時代の変化、マインドの変化を敏感に察知し、ビジネスモデルを変容、再構築するためにもマーケティングのスキルが必要不可欠です。
でも、神田さんはこうおっしゃっています。
”テクニックは変わる。技術も変わる。だから今、即効性があり、楽に結果を生みそうなものだけつまみ食いしても、すぐに賞味期限はやってくる”
なので、テクニックありきで一瞬だけうまくいくビジネスをするのではなく、本書で示されている「マーケティング・ピラミッド」のフレームに沿った行動をすることによって、経営者はマーケティングを実践しながら、事業を成長させながら、同時に社会的な存在へとなっていくわけです。
まさに「ヒーローズ・ジャーニー」ならぬ「マーケティング・ジャーニー」。
ちなみに本書はもちろん経営者などのビジネスパーソンを対象としているのですが、さらに次の世代を担う中学生、高校生に読んでもらうことも強く意識して書かれているそうです。
以前にも書いた通り、今回のコロナショックにより真の働き方改革が一気に進み、デジタルツールの活用が進むことが予想されます。
年配の方の中には進化のスピードの早いデジタルツールを使いこなせない人もいるかもしれませんが、現在の中学生、高校生はデジタルネイティブ世代です。
デジタルツールを当たり前のように使いこなせる彼ら・彼女らが本書を読みマーケティングのスキルを身につけることができれば、社会に出た時には優秀な人材として重宝されるでしょうし、なんなら自分で起業することだってできます。
コロナ騒動に関係なく、未来の日本や自分自身に期待できない、夢を持たない若者が多いと言われていましたが、コロナ騒動により多くの業界で想定される「ゼロ・リセット」の状態というのはある意味チャンスと言えます。
このコロナ騒動で政治や医療、教育の現場など様々な場面で多くの問題が浮き彫りとなりました。
この問題を解決するために自分ができることは何か?それを考えれば未来を前向きに捉えられるのではないでしょうか?
それはもちろん若者だけでなく社会人・経営者も同様です。
ずっと家族が家にいるというこの貴重な機会にぜひご家族で読んでみませんか?勇気をもらえますよ。