今回は最近キングコングの西野亮廣さんが度々取り上げている注目の書『ニュータイプの時代』をご紹介したいと思います。
著者である山口周さんは、20世紀後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、いわゆる「優秀な人材」は、今後「オールドタイプ」として急速に価値を失うと主張しています。
一方で、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材、すなわち「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるそうです。
ということで、本書では価値創造や競争戦略など24の思考・行動様式についてオールドタイプとニュータイプの対比を行い、これからの時代活躍でき、豊かな人生を送るために必要な、つまりニュータイプとなるために必要なマインドやスキルについて解説されています。
今までは問題解決能力の高い人材が「優秀な人材」と言われていました。
それが、今の時代、問題が無くなった訳ではありませんが、物質的なニーズや不満があらかた解消されてしまったため、どんなに問題解決能力があっても、そもそもの問題自体がなければその力を発揮しようがないという状況になってしまいました。
なので、これからの時代は、「問題を解決する能力が高い人」よりも「問題を発見し、提起できる人」の方が重宝されるということになります。
ではどんな人が問題解決能力が高い人なのかと言うと、ズバリ「試験勉強が得意な人」となります。
問題と解答のパターンを覚え、「Aという問題が出たらA’と、Bという問題が出たらB’と」という具合に速やかに正解を出せる人が問題解決能力が高い人ということになるわけです。
具体的に言うと公務員や我々士業ということになります。
実際、資格試験勉強というのは完全に暗記し、パターンを覚え、試験の際に正確かつスピーディーにアウトプットできる人が合格できるというものですから、完全にオールドタイプです。
また、これは前述の通り、キングコングの西野さんがよく取り上げる部分なのですが、これからの時代「役に立つもの」は生き残るのが厳しく、「意味があるもの」の方が生き残っていけるようになります。
コンビニの事例が分かりやすかったのですが、「役に立つ」ハサミなどの文房具は、基本的には1種類しか棚に置いていませんが、その一方で吸う人にとっては「意味がある」タバコは沢山の銘柄が置かれています。
ハサミが必要な人はとりあえず切れるものがあれば何でもいいのですが、タバコが必要な人は例えばマールボロが好きな人はピアニッシモしか置いてないと困ります。
つまり「役に立つ」を追求すると1番手やせいぜい2番手ぐらいしか生き残れないのですが、「意味がある」を追求すれば、その提供する意味に価値を感じてもらえる人からは選ばれるのです。
特に今後税理士業務の大部分はAIの方が「役に立つ」のは間違いありません。
数字の正確性でAIに勝とうとしてもそれこそ意味がないでしょう。
ということはどれだけ「意味がある」で差別化し、勝負していくのか?
これはもちろん税理士を含めた士業の世界だけの話しではなく、様々な業界で必要な考え方になってきます。
飲食店だって美容室だって本屋だって、「役に立つ」で戦えば一番役に立つお店以外は選ばれなくなってしまいますから。
そんなかなり考えさせられる内容の『ニュータイプの時代』、必読です!
ジオンなきあとはニュータイプの時代なのだ!