7月23日放送の『ガイアの夜明け』は「”眠った服”の活かし方」というテーマで、タンスの肥やしとなっている服の有効活用をビジネスとしている2社の取り組みが取り上げられていました。

その中でも私が注目したのが、大阪に本社を置く「ホープインターナショナルワークス」の取り組みです。

同社は2016年大阪に「Salon du reDESIGN Closet.net」という店舗をオープンさせますが、このお店は客のどんな要望にも対応する「洋服リフォーム」のお店となります。

と言っても普通のリフォームとは次元が違います。

「体型が変わり履けなくなった思い出のジーンズをバッグに仕立て直して欲しい」という依頼にも対応しますし、平野ノラの衣装のような「バブル時代に流行した肩が張った形のスーツ」が持ち込まれれば、今風の柔らかいシルエットに仕立て直したりするのです。店名にも入っていますが「リフォーム」というよりは「リデザイン」といった感じですね。

「着ていたときの思い出が詰まった服だから捨てるにはしのびない。でもタンスの肥やしにしておくのも・・・」という想いに応えた非常にユニークなサービスだと思います。

このビジネスモデルは非常に将来性のあるものだと勝手に思っているのですが、なぜそう思ったのかちょっとまとめてみたいと思います。

①簡単にマネされない

このビジネスモデルは買取をしているわけではありませんが、買取の方はかなりのレッドオーシャンと言えます。

番組ではもう1社、「どこでも買取り」ができるというサービスで反転攻勢を狙うリサイクルチェーンも取り上げていました。

これは古着の買取査定ができないような人でもアプリを使えば簡単に査定ができるという仕組みを活用するビジネスモデルとなりますが、「誰でも簡単にできる」ということは将来もっと便利なサービスが登場したときにそちらにお客を奪われる可能性が大きいということになります(もちろんこの会社を否定する意図はありません)。

その点、この洋服リフォームは誰でもできるものではありませんので、そうそう簡単にライバルが参入してこない優れたビジネスモデルと言えます。

②AIに仕事を奪われない

ファッション・アパレル業界の仕事のどれぐらいの部分が将来AIに仕事を奪われるものなのかは門外漢の私には分かりませんが、この洋服リフォームビジネスは完全に手作業のため、まずAIに仕事を奪われることはありません。

また、場合によってはお客さんが持ち込んだ服を見て「こんなデザインにリフォームするのはどうですか?」と提案することもあるそうですが、これもAIが代替するのは難しいでしょう。

 

実際に、今までにないコンセプトの“お直し”を集客の起爆剤にしようと、百貨店も注目しており現在、西武池袋本店と、そごう千葉店の店内にも出店しているんだとか。

ただ当初想定していた以上の依頼が殺到し、作業が追い付いていないということで、この部分をどうカバーしていくかが今後の課題となりそうです。

とは言え、どうせ新しいビジネスを立ち上げるのであれば、こうやってお客さんに喜ばれ、かつ、そう簡単にライバルが参入してこないしAIにも仕事を奪われないようなものを考えたいものですね。