明日6月30日に全国の神社で「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」が行われます。
この大祓というのは6月30日と12月31日という半年毎に行われる神事で、その歴史は古く1000年以上も前から行われているんだとか。
これは何の意味があるのかと言えば「生活の中で知らず知らずに身についた罪や穢れ、災厄をお祓いする」ものとなります。
部屋を綺麗に掃除していてもホコリが積もってしまうように、私達も別に悪事や犯罪を犯していなくても、罪や穢れというのは少しずつ積もってしまっています。
その半年分の罪や穢れを一気にお祓いするのが大祓となります。
6月30日に行われるのは夏越の大祓と言ったり水無月の大祓と言ったりし、12月31日に行われるのは年越の大祓と言います。
この神事の由来となっているのが『古事記』にも描かれているイザナギノミコトの禊祓(みそぎはらえ)のエピソードです。
イザナギノミコトは妻であるイザナミノミコトと共に多くの国を生み、また多くの神を生んでいきます。
しかし火の神(ヒノカズツチ)を生んだ際に火傷をし、イザナミノミコトは亡くなってしまいます。
愛する妻を失ったイザナギノミコトはなんとかイザナミノミコトを生き返らせようと死者の国である黄泉の国に迎えに行きます。
しかし結局失敗してしまい、地上の国に戻ってきたイザナギノミコトは死者の国に行ったことで穢れてしまった自分の身体を「筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原」というところで洗い清める禊祓を行います。
※ちなみにこれを簡略化した行為が手水舎で手や口を清める行為となります。詳しくはコチラ
大祓で行うお祓いの儀式は主に3つ。
・大祓詞奏上
・人形(ひとがた)に罪、穢れを移し川などの清らかな水に流す
・茅の輪くぐりをする
ここでは全てについて解説しませんが、大祓詞(おおはらえのことば)とは、天照大御神が天岩戸に隠れてしまった際に、岩戸の前で祝詞を奏上した天児屋命(アメノコヤネノミコト)の子孫である中臣氏が京の朱雀門で奏上することで国全体の罪や穢れを祓っていたという強力な祝詞となります。
先日読書会で取り上げた『神様と仲よくなれる!日本の神様図鑑』にも載っていて、結構長いのですが、普通は奏上する機会はほとんどありませんから、ぜひこの機会に奏上して欲しいと思います。
人間、リセットとかリスタートとか区切りをつけるのって結構好きですよね。
12月31日には大晦日ということで大掃除をしたり1年の区切りをしていますが、この6月30日の夏越の大祓でもしっかりと半年の区切りをして後半戦に臨みたいものです。