いま元アマゾン社員が立ち上げたある専門店が話題になっています。
さて、何の専門店だと思いますか??
答えは「カセットテープ専門店」です。
そう、あのカセットテープです。
私の親は結構新しい物好きなところがあって私が小学校4年生ぐらいの頃にはすでに家にCDプレイヤーがありました。
しかし小学生のお小遣いでそんなに気軽にCDは買えません。
なので、CDをレンタルしてきてカセットテープにダビングして楽しむ、というのが一般的な形でした。
ただ難点があって、カセットテープにダビングすると音が全然劣化してしまうんですよね。
昔はダビング時間は再生時間とイコールだったので長い時間をかけてダビングした割にはもの凄くこもった音質になってガッカリしたという記憶があります。
なので、「カセットテープ専門店なんてビジネスになるのか?」と疑問に思ったのですが、ここにも緻密な戦略が隠されていました。
実は今、あえてカセットテープで作品を出したいというアーティストが世界中にたくさんいるんだそうです。
というのもデジタル音源がかなり普及し、せっかく色んな意図を持った曲順でアルバムを制作してもその順番通りに聴いてもらえないという悩みを抱えているアーティストにとって、スキップせずに聴いてもらえるカセットテープは魅力的なメディアだからなんだそうです。
確かに急速なデジタル化の揺り戻しでもないですが、アナログレコードが一周回ってカッコいいと人気が再燃していますが、カセットテープの制作コストはアナログレコードの6分の1程度というのも魅力の一つです。
そして何よりも音質!
そうは言っても音質が悪ければ売れないと思うのですが、空のテープに録音するのではなく、すでに録音されたテープであれば音質はめちゃくちゃいいんだそうです。知らなかった!
そんな元アマゾン社員である角田太郎さんが東京・中目黒にオープンさせたカセットテープ専門店「waltz」はなんと日本で唯一の存在。まさにオンリーワンです。
客層は昔カセットテープで音楽を聴いていた中高年の他、カセットに触れたことがない20代の若者や海外からの観光客と結構幅広い。
角田さんが元々どの層をターゲットにしていたのかは分かりませんが、とにかく「カセットテープ専門店」とめちゃくちゃ絞ったからこその盛況と言えるでしょう。
角田さんは「CDショップがどんどん街から消えている時代に、実店舗でカセットを売るなんて変人は自分ぐらいしかいないだろう」とおっしゃっていますが、このような変人・変態こそが新しい扉を開けると言えるでしょう。変人・変態万歳!