温泉のお土産と言えば「温泉饅頭」ですよね。

先日放送されたWBS(ワールドビジネスサテライト)では熱海温泉の”とある”饅頭を取り上げていました。

それは「毒饅頭」。

何年か前に某政治家さんがこの表現をしたことがありましたが、そうではなくリアルな「毒饅頭」です。

といっても、もちろん毒が入っているわけではなく「ドクダミ」が入っているので食べても大丈夫です。

ではなんでわざわざこんなネーミングにしたかというと、そこには緻密なマーケティング戦略があったのでした。

熱海は日本有数の温泉街だけあり、駅周辺は観光客で賑わっています。

しかしそこから徒歩15分する街の中心地では人もまばらに。

そんな中心地に人を呼び込もうということで開発されたのがこの「毒饅頭」です。

ネーミングもかなりのインパクトがありますが、それ以外にも様々な趣向が凝らされています。

まず、お店は週に1日しか営業していません。

さらに1日300個の限定販売のため、営業開始3時間後には売り切れてしまうそうです。

しかも、通販などは一切行っておらず、このお店に来ないと買えないということで営業日には長蛇の列ができるそうです。

もちろん、商品にも色々なこだわりが。

まず饅頭は職人が一つ一つ手作りした桐の箱に入っています。

箱を開けると饅頭だけでなくおみくじも入っています。

これは全て大吉なのですが、お店のスタッフが熱海市にある16の神社で願掛けをしたもので、家内安全、健康祈願、無病息災、恋愛成就、合格祈願、学業成就、商売繁盛、千客万来、昇格昇進などの御利益があるとか。

また、桐箱に書かれた文字は書道家の武田双雲さんが書かれたもので、まぁめちゃくちゃカッコいい。

こうした様々な戦略・戦術が見事にハマり、このお店だけでなく、中心街にも人が流れるようになったということです。

これ、色々なビジネスヒントが隠された話だと思います。

温泉饅頭という昔からあり、すでにレッドオーシャンである商品の後発組として、どう商品にインパクトを与えるか、付加価値をつけるかという点。

どこでも買えるものでなく、このお店に行かないと買えない点。しかも週に1日しか販売していないという希少性。

それによってどう人の流れを作るかという点(これは赤福が行った伊勢神宮のおかげ横丁整備にも相通じるものがあります)。

ちなみに毒饅頭は4個入りで1,500円です。

週に1日営業で1日300個限定ということは1,500円×300個=45万円が週の売上、月商180万円、年商2,000万円ちょっとということになります。

これだとそんなに大した規模のビジネスにならないなぁというところですが、話題性があるためにすでに国内外700以上のメディアに取り上げられているそうです。

もの凄い宣伝効果!こうやって知名度を高めた上で、次の展開を考えており、売上目標は1億円ということでどうやらかなりしっかりとした戦略を描いているようです。

やはり戦略が大事だということですね!

 

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