今日2月10日はみなさんご存知のあの記念日です!

そう、「簿記の日」です!

・・・ご存知ない??

まぁ確かに私も知ったのはつい最近ですので、知らなくても仕方のないところでしょう。

こういう記念日には「その日になんらかの由来があるタイプ」と「語呂合わせタイプ」がありますが、簿記の日は「由来があるタイプ」となります。

アメリカから持ち帰った本を福沢諭吉が翻訳した日本で最初の簿記の本である『帳合之法(ちょうあいのほう)』(原題:Book-keeping)に付した序文が1873年2月10日に草されたことに由来しているそうです。

私が税理士にも関わらず普段ほとんど税務や会計のことを取り上げないのに、今回簿記を取り上げたのには意味があります。

それは「簿記の偉大さ」を皆さんに知って欲しいからです。

実は簿記の歴史は古く古代ローマ時代に遡ります。しかし当時はまだ単式簿記でした。

単式簿記は例えば「2月10日 水道代1万円を支払った」という具合に記録していきます。

しかしこれでは現金で支払ったのか預金口座から支払ったのか、それともそれ以外なのかが分かりません。

家計簿やお小遣い帳をイメージしてもらえると分かりやすいかと思います。

しかしこれだと単純に自分のお金の管理をする分にはいいとしても、ビジネスを行う際のお金の流れや資産状況などを把握することはできません。

そこで発明されたのが「人類最高の発明の一つ」と言われている複式簿記です。

どのように発明されたのかには諸説あるのですが、14世紀頃のベニスの商人が採用しはじめたのが起源であるという説が有力となっています。

大航海時代、船を使った貿易が活発に行われましたが、一航海が終わると収支を調べて財貨を分配するという習慣がありました。

しかし単式簿記では不十分だったため複式簿記(ベニス式簿記法)が発明されたということです。

複式簿記は「貸借が必ず一致する」「取引を漏れなく記録できる」「商品ごと・事業ごとの利益を算出できる」といったような特質により、それを使う商人にとっては自分のビジネスを客観的に見るための羅針盤として、取引相手にとっては「その商人・ビジネスが信用できるものか」を見るための指標として非常に有効であることからヨーロッパから始まって世界中に広まることになります。

会計のルールは頻繁に変わりますし、記帳するためのツールも手書きからコンピューター会計、AI会計とどんどん進化していますが、基本的なフォーマットは14世紀から変わらないというのは凄くないですか?

大航海時代に発明されたフォーマットが現代の複雑化した商取引でも問題なく使われ続けているというのはまさに「人類最高の発明の一つ」と言っても過言ではないでしょう。

と言いつつ、私も普段は「存在しているのが当たり前」という感覚で仕事で使っているわけですが、今回改めて歴史を調べてみてその偉大さを知った次第です。

まぁこれからの時期、確定申告業務に没頭するとあっという間にそんな感覚は忘れてしまうとは思いますが(笑)、今日ぐらいはその偉大さに敬意を払いつつ仕事をしたいと思います。