ようやく確定申告業務もひと段落したので、録り溜めてあった映画のうち、ある作品を観ました。
私は子供の頃から映画が好きで、学生時代はちょっとだけ映画関係の仕事に就きたいと思っていたぐらいです。
なので、それなりに「こういう題材で、こういう俳優が出ていればハズレはない」という感覚というか判断基準があり、実際に「あ~、こんな映画観なければよかった!」となることはほとんどありません。
しかし!
今回久々に「あ~、こんな映画観なければよかった!」という作品を観てしまいました・・・。
ここは映画批評の場でもありませんし、吊るし上げをする場でもありませんのであえて作品名は出しませんが、原作のある時代ものの邦画です。
原作は未読なのですが、アマゾンのレビューを見るとおおむね高得点で賞も受賞しています。
時代ものとは言っても派手なアクションものというわけではなく、ある職人にフォーカスした渋い味わいのある作品のようです。
俳優陣も日本を代表する役者さんが揃っており、もう名作になる要素しか見当たりません。
しかし!
この素材とこの俳優陣をどう料理したらこんな作品になるんだ!?と思うほどの駄作でした。もうある意味感動です。
ネットの口コミサイトを見ると案の定厳しい評価が多かったのですが、その中でも興味深かったのがこんなコメントです。
「原作は割と地味な内容で、このままだと特に女性受けしないと考えてなのか恋愛要素やチャンバラ要素も盛り込んだ結果、作品としてとても中途半端なものになってしまった。もはやギャグ映画である」
いや~なるほど!
地味な題材でもそこだけにフォーカスして渋い味わいのある作品にしていれば大ヒットはしないにしても玄人受けする佳作として名を残したはずなのに、万人受けを狙って色んな要素を入れた結果、本来の渋い味わいも消え、しかも全体としてとっ散らかってしまい、むしろギャグ映画になってしまった。
まさに私もそんな印象を受けました。
とにかくそれまで何の伏線も無かったのに急に恋愛要素が入ってきたりチャンバラ要素が入ってきたりして「え、急にどんな展開!?」という置き去り感が半端無いわけです。
先程「俳優陣も日本を代表する役者さんが揃っており」と書きましたが、恋愛パートを担う俳優さんはアイドルだったりするので、そこだけ急に「お遊戯レベル」の演技になってかなり浮いていました。
監督の判断なのか映画会社の判断なのか分かりませんが、万人受けを狙ってこのような脚本・演出にしたのではないかと推測されます。
「そんなに酷いと感じたんだったら途中で観るの止めればよかったのに」と思われるかもしれませんが、ある意味どこまで酷い内容なのか最後まで見届けてやろうという思いと(笑)、いっそのことこれをネタにブログを書こうと思って最後まで観ました。
ということで、教訓。
「万人受けを目指すと大変なことになる」
これはビジネスでも同じです。
どういう人のどんな困り事を解決するために、又はどんな夢の実現をサポートするためにそのビジネスをするのか?という部分を明確にせず、「いや、買ってくれる可能性があるんだったら、誰でもいい」というスタンスでビジネスを行うと、結局誰からも相手にされず悲惨な結果となってしまいます。
税理士事務所が女子高生にアピールしようとして「かわいい」要素を入れても意味がないだけでなく、本来のターゲットである起業家・経営者からも「あの事務所は何をやりたいのか意味が分からない」と敬遠されてしまうでしょう。
とにかく「万人受けを目指さないこと」。
これが私が2時間もかけて駄作を観て得た学びです。
※もちろん「面白い・面白くない」というのはあくまでもその人の主観です。
※現在公開されている映画ではありません。