今日は神社ネタをお送りしますが、今回は神社において非常に重要な要素であるにも関わらずまだ取り上げていなかった「ご祭神」をテーマにお送りしたいと思います。
神社は「神の社(やしろ)」というぐらいですから、神様が祀られているところとなります。
ただ遥か昔、神社が出来上がる前には、人々は山や木、川、石などに依りつく神様をお祭りしていました。
まさに八百万(やおよろず)の神です。
実際に、平安時代や奈良時代ぐらいまではご祭神の名前が明らかにされている神社は極僅かで、多くの神社は「何らかの神様を祀っているんだけど、何の神様かは分からない」という状態だったそうです。
それが10世紀を過ぎた頃になると、『古事記』や『日本書記』に出てくるような神様の名前が様々な文献に見られるようになります。
こうして長い年月をかけて、神社ごとに人格的な名前をもつご祭神が定まっていきました。
ということで、実際にどの神社にどの神様が祀られているのか?ですが、公式サイトがある神社であればサイトを見れば載っています。
また、公式サイトがなくても境内にある御由緒書きなどを見れば載っています。
↑神田神社(神田明神)の御由緒書き。御祭神は大己貴命、少彦名命、平将門命の三柱。
さて、ではどんな神様が祀られているのか?という話ですが、神様にはざっくり3種類あります。
まず一つ目は『古事記』や『日本書記』に出てくる神話の神様です。神田神社で言うと大己貴命と少彦名命がこちらに該当します。
二つ目はその土地を古くからお守りされている土地の神様です。
三つ目はかつては人間として生きていた「元人間」の神様です。神田神社で言うと平将門命がこちらに該当します。
神社参拝で気になることの一つが「どんなご利益があるのか?」だと思いますが、それはそこに祀られている神様がどんな神様なのかに由来していることが多いです。
よって、少なくともどんな神様なのかを知っておくことが大切です。
例えば神田神社の御祭神である大己貴命と少彦名命はタッグを組んで国造りを行った超メジャーな神様。
また単独でも大己貴命は縁結びの神様、少彦名命は医療や酒造りの神様として有名です。
ちなみに北海道ではこの二柱の神様に大国魂神を加えた三柱の神様は「開拓三神」と呼ばれ北海道神宮をはじめ多くの神社で祀られています。
私は個人的には参拝する際にお願い事はしない主義なのですが、人によってはしっかりとお願い事をした上で、「神様が(お願いしている人が誰か)分からないから」と名前や住所まで唱えるそうです。
それはそれで別に否定しませんが、そもそもそこに祀られている神様が誰か知らない状態で、願いを叶えてもらおうというのはなんとも虫のいい話だなぁと思っちゃいます。「神様が(こちらを)分からない」ではなく「(こちらが)神様を分からない」ですよね。
とここまで書いて気付きましたが、私が今までご祭神を扱わなかったのは、扱うとこうやってちょっと説教臭くなるからなんでした(笑)。
とは言え、私自身ほんの数年前まではご祭神が誰かなんて全く気にしていなかったので人のことはいえないのですが・・・。
まぁでもせっかく神社に行くのであれば、少なくともどの神様が祀られているのかぐらいは知って欲しいなと思います。