皆さんは「座右の銘」をお持ちでしょうか?

「座右の銘」とは「いつも自分の座る場所のそばに書き記しておいて、戒めとする文句」と定義されています。

私の座右の銘は「鶏口となるも牛後となるなかれ」です(コンサルタント紹介のページにも載せています)。

意味は「大きな集団の中で尻にいて使われるよりも、小さな集団であっても長となるほうがよい」となります。

その昔、中国では7つの国が覇権を争う戦国時代がありました。

その7つの国の中で最も大きな力を持っていたのが「秦」という国です(始皇帝で有名なあの秦です)。

秦は他の国々に対して領土を献上するように脅します。

それに対して6国で同盟を組んで対抗するために、蘇秦という人が諸国を説得して回り、同盟に対して消極的だった韓の国の王に対して「強大国の秦の属国となって秦の言いなりになるよりも、小さくとも一国の王であったほうが良い」と説得した際に用いられた言葉とされています。

牛後(ぎゅうご)とは牛のお尻のことで大きな組織の中の末端を表し、鶏口(けいこう)とは鶏の口のことで小さな組織のトップを表しています。

結果として、この同盟が功を奏し、その後15年に渡って秦が他国を侵略することはありませんでした。

 

実は私がこの故事を座右の銘にしたのは中学三年生の時です。

卒業のときに「卒業文集」って作るじゃないですか?

その際に卒業する全生徒による一人一言を載せるので考えてきなさいと先生からお達しがありました。

当時の私は歴史が大好きで(今もですが)、何かそのような故事成語で「これだ!」というものがないかと家にあった故事成語辞典をパラパラとめくっていたところこの言葉に出会ったわけです。

で、当時の私がなぜこの言葉を「これだ!」と思ったのか定かではありませんが、多分当時から「いい大学を出て、大企業に就職して安定した生活を送る」ということに興味がなかったんだと思います。

ただ、この時にこの言葉を「座右の銘」としたことによって、その後の人生の節目節目でこの言葉に勇気づけられました。

特に30歳のとき、「このまま大手税理士事務所に残ってイチ職員として働いていくのか」「独立して小さくとも一国一城の主を目指すのか」を考えたのですが、その際にこの言葉がパッと出てきて、「そうだよな、やっぱり鶏口を目指そう!」と背中を押してもらいました。

また、私のクライアントには勤めていた会社を辞めて起業する方も多いのですが、まさにこの精神ですよね。

そのようなクライアントを応援するという意味でもとても大切にしている座右の銘です。

もしも座右の銘をまだお持ちでないという方は是非とも「これだ!」というものを見つけていただきたいと思います。

 

※卒業文集の一人一言はほとんどの同級生は「3年〇組のみんな、元気でね!」とか「〇〇ちゃん、別々の高校になるけど一生の友達だよ!」みたいな感じのもので、故事成語を書いたのは私だけでした。当然めちゃくちゃ浮いていました(笑)。