突然ですが「三種の神器」を全て言えますでしょうか?
「テレビ、洗濯機、冷蔵庫」ってそれは家電の三種の神器やないかーい!・・・ってベタなノリツッコミですみません。
そうではなく、八咫鏡(やたのかがみ)、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)、八尺勾玉(やさかのまがたま)のことをいい、歴代の天皇が皇位と共に承継されるものとなります。
ということは当然今年新天皇が即位される際にも承継されるということでホットな話題と言えるでしょう。
では、この3つを挙げることができた人でもそれぞれの由来は分かりますでしょうか?
まず、鏡と勾玉については天照大御神が天石屋戸(あめのいわやと)にお隠れになった際に、石屋戸の外に出ていただくために用いられたものです。
あるとき、天照大御神が弟であるスサノオノミコトのたび重なる悪戯に対して、天石屋戸に隠れてしまわれるという事態が発生しました。
すると、世界は真っ暗になり秩序は崩壊してしまいます。
そこで他の神々は知恵を絞ります。
天石屋戸の前に榊を立て、これに勾玉や鏡、紙垂をつけ、かがり火を焚かせて、アメノウズメノミコトが踊りました。
神々の楽しそうな声に天照大御神は石屋戸を開け、顔をのぞかせます。
自らの光が鏡に反射し、さらに前に出たところをタヂカラオノミコトが手を引いて石屋戸から出ていただくことに成功しました。
そのことによって光が満ち溢れ平和な社会がよみがえったといいます。
次に剣ですが、この騒動の後、スサノオノミコトは天上の世界から追放され、出雲国に天降られます。
そこで、ヤマタノオロチを退治し一人の娘を助けます。オロチの尾を割くと剣が現れたのです。これが天叢雲剣です。
時は過ぎ、天照大御神の天孫・ニニギノミコトが天降られます。
三種の神器はこの天孫降臨の際に天照大御神からニニギノミコトに手渡されました。
このニニギノミコトの子孫が初代天皇・神武天皇であり、以後歴代の天皇に承継されているという非常に由緒あるものなのです。
ではこれら三種の神器は全て天皇がお持ちなのか?皇居にあるのか?というとそうではありません。
最初は全て皇居内で祀られていたそうですが、諸々の事情により形代(いわゆるレプリカ的なもの)を用意し、一部は皇居内で、それ以外のものは別の場所で祀るようになったそうです。
まず鏡の実物は伊勢神宮に、剣の実物は熱田神宮に祀られています。
そして勾玉の実物は剣の形代と共に皇居内の御所の剣璽の間に奉安されています。
鏡の形代は皇居の賢所にお祀りされています。
勾玉の形代はありません。
※勾玉と剣の形代は剣璽(けんじ)と称され皇位継承の証とされていますが、宮中では剣璽はお祀りの対象とはされていないので「奉安」という表現をしています。難しいですね~。
ちなみにこの三種の神器は相続税の非課税財産として列挙されています(理論で覚えたな~)。
しかし、贈与税の非課税財産としては規定されていないので、天皇の退位等に関する皇室典範特例法付則にて非課税とすることと定められています。
という最後は役に立たない税金ネタでした(笑)。