『ティール組織』というビジネス書をご存知でしょうか?
人類の進化に連動して組織も進化を遂げています。
現在主流となっているのがピラミッド型の組織で上から順にトップマネジメント、ミドルマネジメント、各プレイヤーという序列が存在し、上意下達。実力があるものは昇給し、出世していく。という多くの人がイメージできる形態です(本書では「達成型組織」と定義されています)。
資本主義社会でこの達成型組織という形態はうまく機能していたように見えたのですが、その一方で様々な弊害も出てきました。
ではどんな弊害なのか?
それを説明するのにうってつけな小説を最近読みました。
『下町ロケット』です。
今度ドラマの新シリーズが始まりますが、その原作となる『下町ロケット ゴースト』と『下町ロケット ヤタガラス』に出てくる帝国重工はまさに「達成型組織の弊害の見本」のような状態です。
社内政治による足の引っ張り合い、下請けイジメ、社員のモチベーションダウン(優秀な人材の流出)などそれはもうオンパレードですので、是非原作をお読みください。私は面白くて一気読みしてしまいました。
と、話が逸れましたが、とにかく今まではある程度機能してきた達成型組織が現在の環境や人々のマインドに合わなくなってきており、組織形態の更なる進化が必要である、というのが本書の著者であるフレデリック・ラルーの主張となり、その進化した組織のことを「ティール(進化型)組織」と定義しているのです。
その考えに共感する人が多いのか、日本でもビジネス書としては異例の大ヒットで、「ティール組織」という言葉を見聞きしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
そんな今注目の本書ですが、その特徴の一つが「ぶ厚い」というものです。
本文だけでも約500ページ、付録だなんだも合わせると約600ページ。
カバンに忍ばせて隙間時間に読む、という感じの本ではありません(筋トレ効果はあり)。
そのため、「興味はあるんだけど読む自信がない」という方や「買ったけど積読している」という方も多いことでしょう。
私は本を読むのが大好きなので抵抗なく全部読みましたが、途中で挫折したという方も多いでしょう(もちろん全部読めばいいというものではありませんが)。
「でも読みたい!でも一人で読める自信がない!だったら人を巻き込もう!」
そう思ったある女性が声を上げたことによって開催されることになったのが「ティール組織読書会」です。
「一人で読むのが大変ならみんなで手分けして読もう」
「1回で読むのは大変だから回数を分けて読もう」
そんなコンセプトで今年の6月にスタートし、毎月1回開催しています(9月は地震の影響で中止)。
とにかくハードルを下げるために「1回で読むボリュームは少なく」、そして「当日読むので事前に読まなくてOK」というルールを設定しています。
今まで3回開催してきましたが、集まる人は経営者もいれば会社員もいれば、NPO関係の人もいればと多種多様です。
そんな色んな方が集まって一緒に本を読むメリットは、単に手分けして読む、ということではなく、読んだ上でのダイアログ(対話)です。
読んで感じたことや気づいたことをみんなでシェアする時間も後半あるのですが、この時に色んな属性の人が集まっている意味が活きてきます。
経営者としての視点と会社員としての視点は全く異なりますし、営利組織の視点と非営利組織の視点も全く異なります。
そのように様々な視点観点の話しを聞くことで一人で読んでは決して得られない気付きを得ることができる、というのが読書会の最大のメリットだと思います。
と、さも私が主催したりファシリテーションしたりしている風に語ってきましたが、私は単なるイチ参加者です。
ただ、この読書会はどなたでも参加できますし、これからの参加もOKです。
私のようにすでに読んでいる人でも新たな気付きを得ることができますし、「興味があるんだけど読む自信がない」「買ったけど積読している」というまだ読んでいない方にはいいキッカケになるかと思ってご紹介しました。
次回の開催は10月15日(月)19時~21時。会場はエルプラザです。
参加費は会場代の300円程度。持ち物は『ティール組織』と筆記用具のみ。事前に読まなくてもOK。
参加したい方は当日直接会場にお越しください。