1月24日放送の「坂上&指原のつぶれない店」は私の大好きなつぶれそうな店の立て直し企画でした。

今回は第4弾となりますが、第2弾では「1年の利益16万円 メニューが多いイタリア料理店」を築地銀だこの佐瀬守男社長がイタリアンとラーメンの組み合わせである「伊太そば」で見事立て直しました。

現在の様子も取り上げられていましたが、売上が月平均50万から110万へと倍以上の売上をキープしているということでしっかりと繁盛しているようです。

また、第3弾では「毎月30万円の赤字 京都のおばん菜居酒屋」をとんかつかつやの臼井健一郎社長がランチ営業のみのおばんざい+カレーの専門店で見事立て直していました。

こちらはなんと売上が3倍になったということで、実は私も昨年の秋に食べに行ったのですが、行列ができてかなり賑わっていました。

どちらも企画が始まる時には「せっかく自分の店を持ったのに全然お客が来ず、今後の生活にも不安があり、どうしよう・・・」という暗い雰囲気だったのが、今回の放送にリモート出演されている表情は明るく、自信に満ちた顔つきなのが非常に印象的でした。

さて、第4弾となる今回の立て直しの対象は「月13万円の赤字 73歳女店主の人情居酒屋」です。

スナックからスタートし、そのあと居酒屋に業態転換し長年経営しているものの、近年は少しずつお客が減り赤字経営。僅かな貯蓄を切り崩しながらなんとか経営しているものの限界も近い。

そんなお店です。

依頼人は娘さんですが、母親ももう73歳と高齢なので、無理せずお店を辞めて欲しいという思いと共に、お店が人生そのものなのでできれば働き続けて欲しいという思いも抱えています。

そんなお店の立て直しを任されたのが、牛角や焼肉ライク、温野菜など数多くのお店を手掛けた”外食チェーンの天才”西山知義さんです。

マニュアル化による業務の平準化・効率化によりチェーン展開を行ってきた西山さんが個人経営の居酒屋をどう立て直すのか興味津々です。

近隣の市場調査やお母さんのスキルなどを考慮した結果、西山さんが導いた答えが「白いメンチカツが食べられる定食屋さん」です。

番組ではそのためのお店の改装の様子や白いメンチカツを揚げるための悪戦苦闘の様子も描かれていましたが、その部分も非常に面白いので、興味のある方はぜひ見逃し配信などでご覧ください。

ところが、いよいよ準備も整いオープン!というタイミングで緊急事態宣言が発令されてしまいました。

その中でオープンするということもできたと想いますが、お母さんは緊急事態宣言が解除されるのを待ってオープンすることを選択しました。

よって、番組では「オープンしてどうなったか?」までは取り上げられていませんでした。

過去の企画ではテレビパワーを使わなくてもリニューアルオープンと共に賑わっていましたから、こちらのお店にもぜひそうなって欲しいと思います。

さて、今回も番組放送後、SNSには

「お母さんが本当にやりたいことなのか?納得していないのでは?」

といったコメントが書き込まれていました。

過去の立て直し企画もそうですが、元々ご主人がやりたいことをやっているわけではありません。

イタリア料理店としてやっていきたかったけどラーメン屋さん。

おばんざい居酒屋としてやっていきたかったけどカレー屋さん。

人情居酒屋としてやっていきたかったけどメンチカツ屋さん。

番組を見ている人の中には「居酒屋という形態のままで立て直して黒字経営に持っていく」という形の立て直しを期待していた人もいると思うのですが、経営のプロの目から見て「居酒屋のままでは立て直せない」という判断だからこその業態転換なのです。

「やりたいことをやるけど赤字経営」と

「積極的にやりたいわけじゃないことをやるけど黒字経営」

どちらがいいかと言われたらやはり後者になるのではないでしょうか?

だって赤字経営ではビジネスを続けられないですからね。

もちろん自分がやりたいことをやって黒字経営というのが最高ですが、自分はそれをやりたくても、世間にそのニーズがなければ残念ながら黒字経営となりビジネスを継続するということはできません。

そういう意味ではこの番組の企画はバラエティーの作りではありますが、ビジネスの厳しい現実を取り上げているとも言えます。

現状では緊急事態宣言がいつ解除されるのかが分からないので、お店がいつオープンするのかも全く分かりませんが、オープンしてどうなるのか注目したいと思います。

そして東京に行く際にはぜひ食べに行きたいと思います。