神社に行くと拝殿の前には賽銭箱が置かれています。

賽銭の「賽」とはもともと神様へのお礼を意味します。

ですから「賽銭」とは、願いが叶ったとき、日々の平穏を感謝するときに神様に捧げる金銭のことを表しています。

しかし、当たり前のように金銭がお供えされるようになったのは古いことではありません。

御賽銭の形態は、古くは神前にまく「散米(さんまい)」や、洗った米を紙に包んで供える「おひねり」でした。

この散米が貨幣の流通に従って「散銭」になり、いつしか「賽銭」になっていったようです。

御賽銭は神様へのお願いやお礼の際の真心の表現です。

箱に入れる際には、それなりのお供えの仕方が求められます。

・・・と神社本庁のサイトに書かれているのですが、では「それなりのお供えの仕方」とは具体的にどのようなものなのでしょうか?

あと、そもそも賽銭箱の上に鈴が吊るされている場合がありますが、鈴を鳴らすのが先?御賽銭を入れるのが先?みたいな疑問もあるかと思います。

まず、鈴が先か御賽銭が先か?という話はどうやら正式な決まりがあるわけではないようなので「どちらが先でも良い」ことになります。

ちなみに私はお賽銭を入れる→鈴を鳴らす→二礼二拍手一礼の順番にしています。

次に「それなりのお供えの仕方」ですが、神社本庁のサイトにはそこまで具体的なことは書かれていません。

そこで諸々調べた結論としては「賽銭箱に滑り込ませるように入れる」というのが「それなりのお供えの仕方」になるかな~というのが私の見解です。

なので、例えば大きく弧を描くように投げ入れてガチャっと音を出すのはあまりよろしくないのかなと思います。

初詣時期の北海道神宮では拝殿の前にお賽銭を入れられるようなブルーシートを張ったスペースが設けられますが、できればこの際にもそっと御賽銭を入れたいところです。

混んでて前まで行くのが面倒だからとロングスローをするのは作法としてもマナーとしてもNGなのでやめましょう(今年やっちゃった人は来年気を付けましょう)。

なお、賽銭箱の上にある鈴ですが、鈴は「さやさやと鳴る」と表現され、すがすがしく神秘的なものとして、古くから神霊を招く道具として用いられていました。

古代には巫女が鈴を振りながら舞い、神霊を招いて神憑りとなって神の声を人々に伝えたり、災厄を祓ったりしたのでしょう。

鈴を付けた鏡や鈴を付けた女性の姿をした埴輪も古墳から出土しています。

鈴が魔除けになるという信仰は日本のみならず世界各地にあります。

お守りなどに鈴が付けられるのもそのためです。

平安時代にまとめられた『古語拾遺』という書物には、天の岩屋戸にお隠れになった天照大御神の心をひくためにアメノウズメノミコトが鈴を付けた矛を持って舞ったことが記されています。

はっきりしたことはわかりませんが、中世頃から社頭に鈴が付けられるようになったと言われています。

↑超スタイリッシュな赤城神社の拝殿