今年の税制改正では相続税・贈与税について最高税率の引き上げや基礎控除の縮小などインパクトのある項目が盛り沢山でしたが、今回は今まで解説してこなかったものをまとめてご紹介したいと思います。

①未成年者控除の見直し

 未成年者控除とは相続人が法定相続人で20歳未満の場合に適用を受けることができる税額控除で、従来は「6万円×20歳に達するまでの年数」が控除額でしたが、これが改正により「10万円×20歳に達するまでの年数」に金額が増えました。

 

②障害者控除の見直し

 障碍者控除とは相続人が法定相続人で障害者や特別障害者に該当する場合に適用を受けることができる税額控除で、従来は「6万円(特別障害者は12万円)×85歳に達するまでの年数」が控除額でしたが、これが改正により「10万円(特別障害者は20万円)×85歳に達するまでの年数」に金額が増えました。

 

 未成年者も障害者も被相続人の法定相続人という本来なら被相続人がある程度面倒を見なければならない存在であるのであれば、相続税の課税についてはある程度の配慮をしましょう、という趣旨により規定されているものですが、今回の改正により基礎控除額が縮小され、従来であれば課税されなかったケースが今後は課税される可能性があるということで、その課税ベースの拡大に対応する形での納税者有利な改正です。

これにより相続税が発生して相続人の何人かは納税しなければならなくなるかもしれませんが、未成年者や障害者はこれらの規定により納税額が0円になる、というケースも増えるのかもしれません。

ちなみに平成23年度の税制改正大綱では死亡保険金の非課税金額について「相続人の生活安定という制度趣旨の徹底の必要性や他の金融商品との間の課税の中立性確保の要請」という理由で非課税枠の縮小(厳密には適用を受けることができる相続人の範囲の縮小)の見直しが検討されていましたが、結局見送られ、今回の改正でも完全にスルーされております。

正確に言えば金融庁が税制改正の要望として非課税枠の拡大を主張したので、その主張を完全に無視して縮小するのは難しかったのではないかと推察されます。

過去生命保険は相続税法上かなり優遇されており、節税商品としての存在意義がありましたが、近年の改正で節税商品としての「うまみ」がなくなっておりますので、この死亡保険金の非課税枠の死守、又はあわよくば拡大というのは各生保会社にとっては非常に大事なテーマですね。