相続税は財産に対して課税するというシステムですので、財産が土地や建物などの不動産ばかりだったりすると納税資金を用立てるためにその不動産を売却することも必要となります。

しかし、特にその不動産が自宅や事業を行っている店舗だったりすると生活や事業の拠点を手放してしまうことになり、支障を来してしまいます。

そこで相続税ではこのような住宅用の宅地や事業用の宅地など一定の要件を満たすものを「小規模宅地等」と規定し、評価額を引き下げることができるようにしています(対象は土地のみで建物は対象となりません)。

 

今回はその中でも住宅用の宅地について解説したいと思います。

オーソドックスなケースですと被相続人が所有し、居住していた住宅用の宅地を相続人が引き継ぎ、そのまま継続して住み続ける場合には「特定居住用宅地等」と言って、路線価方式や倍率方式などによって算出した評価額から80%減額することが可能となります。

ただし面積制限があり、改正前までは最大240㎡でした。

これが今回の改正により最大330㎡に引き上げられました。

 

これは納税者に有利に働く改正ですが、背景として今回の改正で基礎控除額を引き下げたことにより、相続税の課税対象となる人は一気に増えると思いますが、それによりマイホームを手放すことになる事態を防ごうという配慮があると考えられます。

 

さて、このように相続税には評価額を減額する規定や配偶者が財産を取得した場合に税額が軽減される規定などが色々とありますので、それらの規定を適用した結果、結局税額が発生しない、ということも考えられます。

しかし、これらの規定は「申告をしないと適用を受けられない」というものですので、納税額が0円でも相続税の申告が必須となります。

もしも申告期限までに申告をしないと、この特例の適用を受けられず、結果として納税義務が発生してしまいますので、十分にご注意下さい。