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税理士ブログ

 

平成25年度税制改正「小規模宅地等の特例の見直し④」

  2013/07/30

今回で小規模宅地等の特例シリーズも最後となります。

今回は「居住用・事業用宅地の適用対象面積の拡充」について解説します。

まず「居住用宅地等」というのは過去3回に渡って解説してきた居住用の宅地となります。それに対して「事業用宅地等」というのは個人事業者が事業用に使っていた宅地となります。

以前ご説明した通り、被相続人が生活や事業の拠点としてた宅地について路線価方式や倍率方式で評価した金額で相続税を計算されてしまうと、場合によっては相続税を納税するために泣く泣くその宅地を売却することになってしまいますが、そうすると住む場所に困りますし、事業という収入を得る手段を失うことにもなりますから、由々しき事態です。

そのため、相続税ではこれらの宅地については本来の評価額から80%減額することを認めています。ただし面積制限があり、居住用宅地等については240㎡(改正により330㎡になります)、事業用宅地等については400㎡までとなります。

ただし、自宅と事務所や店舗などが別々にあるケース、すなわち居住用宅地等と事業用宅地等の両方がある場合には、それぞれ240㎡、400㎡まで受けられる訳ではなく、ちょっと特殊な計算式で算出した面積までしか適用が受けられませんでした。

若干難しい考え方ですが軽く説明してみたいと思います。

仮に居住用宅地等が180㎡、事業用宅地等が400㎡で、居住用宅地等から優先して特例の適用を受けた方が有利だとします。

この場合居住用宅地等で使う枠が180㎡/240㎡=75%となります。

そうすると事業用宅地等で使える枠は400㎡のうちの25%(100%-75%という計算)である100㎡だけということになります。

ちょっと難しいので何となくご理解いただければOKです。

さて、ここからが改正の内容ですが、早い話が上記の面倒臭い計算が不要になりました。

小規模宅地等の特例の適用を受ける宅地が全て居住用宅地等と事業用宅地等である場合には居住用宅地等で330㎡までの枠、事業用宅地等で400㎡までの枠が認められることになりました。

上記の例で言えば居住用宅地等で180㎡、事業用宅地等で400㎡、それぞれ小規模宅地等の特例の適用を受けることが可能となります。

なお、注意点として事業用宅地等に定義する「事業」には不動産貸付業は含まれません。

不動産貸付業の場合には「貸付事業用宅地等」に該当し、減額割合は80%ではなく50%、限度面積は200㎡となります。

また、貸付事業用宅地等と他の宅地で併用して適用を受ける場合には事例のような調整計算が必要となります。

 

平成25年度税制改正「小規模宅地等の特例の見直し③」

  2013/07/30

今回は小規模宅地等の特例の中でも従来扱いが微妙であった老人ホーム入所者に係るものについて解説します。

高齢になり心身上の関係からやむを得ず老人ホーム等に入所するということは珍しくありませんが、そのように老人ホーム等に入所している状態で亡くなられた場合に、もともと住んでいた自宅が小規模宅地等の特例の対象となるのかが問題となります。

一般的には老人ホームへの入所=生活の拠点の移転、とみなされもともと住んでいた自宅は亡くなるタイミングでは住んでいないと考えられますから小規模宅地等の特例の適用を受けることはできない、とされていました。

ただし、国税庁の質疑応答事例では介護のためのやむを得ないもので、本人が自宅での生活を望んでいるので、いつでも戻れるように維持管理されているなどの一定の要件を満たしていれば適用を受けても差支えない、としていました。「差支えない」というのも微妙な表現ですが、質疑応答事例は「法令」ではないので、このような表現になります。

そして一定の要件とは以下のものとなります。

(1) 被相続人の身体又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため、老人ホームへ入所することとなったものと認められること。

(2) 被相続人がいつでも生活できるようその建物の維持管理が行われていたこと。

(3) 入所後あらたにその建物を他の者の居住の用その他の用に供していた事実がないこと。

(4) その老人ホームは、被相続人が入所するために被相続人又はその親族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものでないこと。

ここでやっかいなのが(4)で終身利用権が取得されるとダメ、ということで「じゃあ入居一時金を支払うとダメなのか?」という点が結構揉める部分でありました。

それが今回の改正により、要件が以下の2つになりました。

(1)被相続人に介護が必要なため入所したものであること

(2)当該家屋が貸付け等の用途に供されていないこと

「終身利用権の有無」はどこにも記載されていませんので、その点は今後考えなくても良くなったと言えるでしょう。

ただし(2)にある通り、不在時に第三者に貸してしまうと要件を満たせなくなりますので、注意が必要です。

先に記載した通り国税庁HPの質疑応答事例は「法令」ではないので、これが課税の根拠になることがあってはならないのですが、老人ホームの取扱いについてきちんと法令に記載されておらず、この質疑応答事例が判断根拠になっているという状況でした。

それを今回の改正で法整備したという点には大きな意義があると言えるでしょう。

 

平成25年度税制改正「小規模宅地等の特例の見直し②」

  2013/07/30

前回に引き続き小規模宅地等の特例の見直しの一つである「二世帯住宅における特例の適用対象」について解説します。

今や二世帯住宅というのは珍しくも何ともない、親子が程よい距離感で生活するための住宅形態の一つとして定着した感があります。

さて、前回の「特定居住用宅地等」の解説の中で、「被相続人が所有し、居住していた住宅用の宅地を相続人が引き継ぎ、そのまま継続して住み続ける場合」に小規模宅地等の特例の適用を受けられると記載しました。

ところで二世帯住宅には以下のような形態があります。

①二世帯住宅の内部で双方の世帯がお互いに行き来できる構造

②二世帯住宅の内部で双方の世帯がお互いに行き来できない構造

このうち①はその実態としては「同居」しているということになりますから被相続人名義の土地・建物だったとして、同居していた相続人が相続で取得し、そのまま住み続ければ小規模宅地等の特例を受けることができます。

問題は②で、これは例えば一棟の建物でも完全に各々独立しており、一旦玄関を出なければ行き来できないような状態となりますので「別居」していることになります。

そうすると相続人は既に自分の家を持っていることになりますので、相続で取得してもその後住み続けるということができなくなり、小規模宅地等の特例の対象外ということになってしまいます。

従来このような構造の場合には相続人が取得した後にもともと住んでいたスペースと合わせて居住用として利用したとしても特殊な事例を除いては特例を受けられずにいました。

それが今回の改正により、このようなケースの場合には小規模宅地等の特例の適用が受けられるようになりました。

最近の風潮ではお互いの生活にあまり干渉しないようにお互いに行き来できない構造の二世帯住宅の方が一般的かと思われますので、そのような実情に即した改正と言えます。

ただし、小規模宅地等の特例の適用要件の一つに「申告期限まで引き続き居住していること」というものがありますので、相続で取得した後すぐに第三者に賃貸したりすると要件を満たさないことになってしまいます。この点注意が必要です。

 

平成25年度税制改正「小規模宅地等の特例の見直し①」

  2013/07/30

相続税は財産に対して課税するというシステムですので、財産が土地や建物などの不動産ばかりだったりすると納税資金を用立てるためにその不動産を売却することも必要となります。

しかし、特にその不動産が自宅や事業を行っている店舗だったりすると生活や事業の拠点を手放してしまうことになり、支障を来してしまいます。

そこで相続税ではこのような住宅用の宅地や事業用の宅地など一定の要件を満たすものを「小規模宅地等」と規定し、評価額を引き下げることができるようにしています(対象は土地のみで建物は対象となりません)。

 

今回はその中でも住宅用の宅地について解説したいと思います。

オーソドックスなケースですと被相続人が所有し、居住していた住宅用の宅地を相続人が引き継ぎ、そのまま継続して住み続ける場合には「特定居住用宅地等」と言って、路線価方式や倍率方式などによって算出した評価額から80%減額することが可能となります。

ただし面積制限があり、改正前までは最大240㎡でした。

これが今回の改正により最大330㎡に引き上げられました。

 

これは納税者に有利に働く改正ですが、背景として今回の改正で基礎控除額を引き下げたことにより、相続税の課税対象となる人は一気に増えると思いますが、それによりマイホームを手放すことになる事態を防ごうという配慮があると考えられます。

 

さて、このように相続税には評価額を減額する規定や配偶者が財産を取得した場合に税額が軽減される規定などが色々とありますので、それらの規定を適用した結果、結局税額が発生しない、ということも考えられます。

しかし、これらの規定は「申告をしないと適用を受けられない」というものですので、納税額が0円でも相続税の申告が必須となります。

もしも申告期限までに申告をしないと、この特例の適用を受けられず、結果として納税義務が発生してしまいますので、十分にご注意下さい。

 

生前贈与の注意点

  2013/07/30

相続税・贈与税について特に勘違いが多いのが「贈与税の申告をして贈与税を納めれば贈与は成立した」というものです。

相続対策の一つとして「生前贈与」というのは有効な手段ですが、「贈与」という形を取ってはいるものの相変わらず贈与した人が財産を管理しているなど実質的には財産の移転があったとは認められない場合には、後で相続税の申告について税務調査があった際に「これは贈与とは認められないので相続財産に加算して修正申告してください」と言われてしまいます。

特に現預金を子や孫に贈与する場合には「相続税を減らしたい」という思いと「でも贈与したそばから浪費されるのは嫌だ」という思いがあいまって、贈与した後も通帳を管理するということもあると思いますが、これだともらった人が自由に使える状況にないため、贈与したとは認められなくなります。

そこで「贈与したという事実」を作るために「贈与税の申告をして贈与税を納めれば贈与は成立した」という考えに至る訳です。

御存知の通り、いわゆる「暦年課税贈与」の場合年間110万円までの贈与であれば贈与税は発生しませんし、わざわざ申告書を提出する必要もありません。

逆に言うと110万円を超えて贈与をすれば贈与税の申告・納税が発生しますので、例えば111万円を贈与してほんのわずかな贈与税を納めて申告書を提出すれば「贈与税の申告書を提出した」という証拠を残すことができます。

 

「贈与税の申告書を提出して贈与税も納めているんだから、贈与した財産を自分(贈与した人)が管理し続けたとしても後で認められない、ということにはならないだろう。」

その考えは間違いで、申告書の提出・贈与税の納付というのは贈与をしたという証拠の1つに過ぎません。

その他の状況証拠が実質的には贈与行為が成立したとは言えないということを物語っているようであれば贈与税の申告・納付をしていようが「贈与行為自体」が否認され相続財産として認定されてしまうのです。

相続対策として何年もかけて財産の移転をしてきたはずが実は1円も移転できていなかった、という笑えない話ですが、実はこのようなケースは非常に多いのです。

 

相続対策を行うということは動産・不動産などの財産を動かすということになりますから、相続税、贈与税、また場合によっては所得税など様々な税金が関係してきます。

また、上記のように「本人は相続対策と思って行っていたこと」が実は全く相続対策になっていなかった、ということも大いにあり得ますので、ネットや本で調べて自分でやろうとするのではなく、必ず専門家、しかも、きちんと相続税に強い専門家に相談するようにしましょう。

 

 

消費税 基準期間の原則的考え方

  2013/04/23

消費税の課税事業者に該当するかどうかの判定は原則として「基準期間」における課税売上高が1,000万円を超えるかどうかによります。

では、「基準期間」とはいつのことを差すのでしょうか?

よく「2年前」と言われますが厳密には正しくありません。

個人事業者の場合にはその年の前々年、すなわち2年前となります。

しかし、法人の場合には原則としてはその事業年度の前々事業年度となりますが、前々事業年度が設立年度や決算期の変更などにより1年未満の場合には特例として「その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間」となります。

 

分かりづらいので以下事例でご説明します。

例)平成22年7月1日設立 当初9月決算を途中で3月決算に変更(資本金100万円)

1期目 平成22年7月1日~平成22年9月30日

2期目 平成22年10月1日~平成23年3月31日 ⇐期の途中で3月決算に変更

3期目 平成23年4月1日~平成24年3月31日

4期目 平成24年4月1日~平成25年3月31日 ⇐当期

当期である第4期が課税事業者に該当するのかの判定を行うとします。

原則的な考え方では基準期間は「その事業年度の前々事業年度」である第2期となります。しかし、第2期は6ヶ月しかなく1年未満の事業年度です。

よって、特例で判定することになります。

まず「その事業年度開始の日の2年前の日の前日」は平成22年4月1日になります。そこから1年を経過する日である平成23年3月31日までの間に開始した事業年度は

1期目(平成22年7月1日~平成22年9月30日)と2期目(平成22年10月1日~平成23年3月31日)の2つの事業年度になります。

この2つの事業年度の月数を合計しても9ヶ月にしかなりません。

そこで、課税売上高の計算上は年換算を行う必要がありますので、1期目、2期目の課税売上高の合計を9で除し12を乗じた金額が1,000万円を超えるかどうかで判定することとなります。

仮に1期目の課税売上高が300万円、2期目の課税売上高が600万円だとすると300万円+600万円=900万円≦1,000万円で、このままだと1,000万円以下となります。

しかし、年換算をすると900万円×12/9=1,200万円>1,000万円となりますので、4期目である当期は課税事業者である、という判定になります。

 

以上が原則的な考え方ですが平成23年度及び平成24年度の税制改正により、一部特殊な取り扱いがありますので、その点注意が必要です。