従来、消費税の納税義務の判定というのは基準期間(2年前の事業年度)の課税売上高が1,000万円を超えるか否かで行われるものでした。

これが平成23年度の改正により変更となり、もう1段階の判定を行うこととなりました。

基準期間における課税売上高が1,000万円以下の場合、次のステップとして「特定期間における課税売上高」で納税義務の判定を行うこととなります。

まず、「特定期間」とは前事業年度の上半期のことを言います。

個人事業者であれば前年の1月1日から6月30日、仮に3月決算法人であれば前期の4月1日から9月30日となります。

この特定期間における課税売上高が1,000万円を超える場合(つまり半年の課税売上高が1,000万円を超える場合)には納税義務が発生することとなります。

ただし、課税売上高に代えて同じく特定期間における給与支払総額で判定することもでき、この金額が1,000万円以下であれば納税義務は免れます。

つまり、特定期間において課税売上高も給与支払総額も両方とも1,000万円を超えた場合には納税義務が発生する、という流れです。

この給与支払総額には給与、賞与等の他、当然に役員報酬も含まれますが、所得税が非課税となる通勤手当や旅費等は含まれません。また、未払給与も含める必要はありません。

 

以下、簡単な事例で解説します。分かり易いように全て12ヶ月の事業年度とします。

1期 課税売上高 900万

2期 課税売上高 2,500万(うち特定期間分 1,200万) 特定期間の給与支払総額 500万

3期 当期

 

3期目の納税義務の判定のステップは以下の通りとなります。

①基準期間(1期目)の課税売上高は1,000万円以下のため、第2ステップに移ります。

②特定期間(2期目の上半期)の課税売上高が1,000万円を超えるため、納税義務が発生する可能性があります。

③特定期間の給与支払総額が1,000万円以下のため、最終的には納税義務無しとなります。

 

この平成23年度の改正により新設法人でも自動的に最初の2年間は免税事業者になれる訳ではなくなりました。

1年目は基準期間も特定期間もないので免税事業者となりますが、1期目からかなりの売上が立ったり、役員報酬も含めた給与を結構支払うと2期目から課税事業者になってしまうということも十分にあり得ますので注意が必要です。

また、この規定は新設法人だけに適用されるものではありませんので、その点も注意が必要です。